2025年12月05日

平場の月

 堺雅人×井川遥の久しぶりに再会した中年男女の純愛ストーリー。美男美女だからこういう展開になるのだろうと嫉妬しつつ、細やかな情感よりも健康診断の大切さのほうが印象に残りました。


 作品情報 2025年日本映画 監督:土井裕泰 出演:堺雅人、井川遥、成田凌 上映時間118分 評価:★★★(五段階) 観賞場所:Tジョイ横浜  2025年劇場鑑賞388本



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 【ストーリー】
 バツイチで工場で働く青砥健将(堺雅人)は、腸の再検査のために訪れた病院の売店で中学時代の初恋の相手、須藤葉子(井川遥)と再会する。夫と死別したうえ、年下のヒモ鎌田(成田凌)に遺産を貢いで一文無しとなった彼女は、故郷の埼玉・朝霞のアパートで一人暮らししながら売店で働いているという。


 何度も2人で飲みに行くうちに、次第に関係が深まっていく。だが、須藤にがんが見つかり…


 【感想】 
 中学の初恋っていまだにキュンとくるのでしょう。「青砥」「須藤」と名字を呼び捨てにする関係というのも、そのころの続きみたい。さらに、須藤の芯が強く、心が“太い”様子が生臭さを消しています。自分の過去を振り返らず、鎌田に貢いだことすら前向きにとらえている須藤の格好良さは、井川の好演もあってなんとも格好良い。


 また、2人とも地元に帰ったということで、中年になっても中学時代の同級生ネットワークがいきているというのもいまふう。ただ、青砥の友人たち(大森南朋、宇野祥平、吉岡睦雄)は今でも中学時代の関係さながら、飲んで馬鹿をしているのに、須藤が同級生の女性たち(安藤玉恵、椿鬼奴)と微妙な関係で、マウントや陰口っぽい部分が見られるのは個人の問題か、それとも女性とはこういうものなのか。原作者の朝倉かすみは女性だけに、女性心理のほうがうまく描けているのかもしれません。中年の心理といえば、自分の若いころのヒット曲が流れて、曲名が思い出せないのが妙にリアル。僕も薬師丸ひろ子まで思い出せたけど、曲名が…


 2人の恋は緩やかに進んでいきます。このあたりが中年のファンタジーといえましょう。さらに、難病ものへと変化していきます。須藤の決断は、まあ彼女の性格ならそうなるだろうというものですけど、青砥が妙に格好つけてしまったのは、これまた男の馬鹿さかげんを描いているのでしょうか。中盤までは個人的には気に入っていたのですけど、後半はちょっとありがちで、僕自身の健康のほうに頭がいってしまいました。


 堺雅人の顔芸はお見事。中学生みたいな表情をしたと思いきや、酸いも甘いもかみ分けた大人の表情もします。そして堺の少しくどい部分を井川のさっぱりした部分が巧く打ち消しています。友人たちや妹役の中村ゆり、青砥の元妻役の吉瀬美智子の中堅俳優も巧かったし、何より若いころの青砥と須藤を演じた坂元愛登と一色香澄の爽やかさ、甘酸っぱさもたまりません。ただ、恋愛ものの多い土井監督と脚本の向井康介の組み合わせなら、こちらの想定通りの着地でなくて、もっと工夫した感じにしてほしかったかな。ところで、偶然、「月のこおり」の後にみたのだけど、中年男女の恋愛は太陽でなくて月のように冷ややかな印象なんですかね。


posted by 映画好きパパ at 06:04 | Comment(0) | 2025年に観た映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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