2026年02月07日

旅の終わりのたからもの

 ホロコーストのサバイバーが家族とともに収容所跡地を訪問するって、「リアル・ペイン〜心の旅」と似たような感じ。イスラエルのガザ侵攻が問題になっているのに、相変わらずハリウッドはこの手の映画が好きだなと冷ややかに見ていたけど、後で調べたらドイツ映画なのには驚きました。

 作品情報 2024年ドイツ、フランス映画 監督:ユリア・フォン・ハインツ 出演:レナ・ダナム、スティーヴン・フライ、ズビグニエフ・ザマホフスキ 上映時間112分 評価:★★★(五段階) 観賞場所:キノシネマみなとみらい  2026年劇場鑑賞46本



 【ストーリー】
 1991年、ニューヨークの女性ジャーナリストのルーシー(レナ・ダナム)はアウシュビッツの生き残りである父のエデク(スティーヴン・フライ)とともに、彼の生まれ育ったポーランドの田舎町やアウシュビッツを再訪する旅に出た。

 だが、おおらかでずぼらな父の言動に、細かくたてたスケジュールを壊されてばかりのルーシーはうんざり。心がすれ違う中、父親の子供時代のことを知ったルーシーは…

 【感想】
 ルーシーが厚かましい中年の太ったおばさんという感じで、最後までイラっと来るキャラクターのままでした。話の進め方からこういうキャラクターにしたかったのだろうという気はしますけれど、父親の気持ちを慮ろうともしないし、地元の人々にはナチュラルに上から目線だし、本当に成功したジャーナリストなのと疑ってしまいそう。もっとも、成功したジャーナリストは人でなしがなるのかもしれませんが。

 一方、エデクのほうは娘に心の弱さをみせるのがいやで、わざと大げさに露悪的にふるまってしまいます。例えば、エデクは電車に乗るのを嫌がりますが、それは戦時中に収容所まで貨車の中に詰め込まれて死ぬような思いで運ばれたから。ちょっと考えれば父のそんな思いに気づきそうですが、鈍感な娘と強がりの父親の組み合わせでは、そうした歩み寄りは出来そうもありません。

 また、1991年ということは戦争が終わって40年以上たつわけで、それなのに自分が被害にあったどころか生まれてすらいなかったルーシーが、父の気持ちを勝手に代弁して被害者ムーブを醸し出すのはいらっときました。全般的にポーランド人は欠点のあるように描かれているのも、当初アメリカ映画と勘違いした理由です。まあ、それだけレナ・ダナムの演技が巧かったとも言えますが。予告編にあるようにちょっとふと目でどこにでもいそうな感じがリアルさを醸し出しています。

 それにしても戦後80年以上たっても遠い異国の日本で毎年何本も公開されるホロコースト映画の意義というのはどこにあるのだろうと考えてしまいます。ユダヤ人が映画界や経済界でパワーがあるからなのかなあ。 
posted by 映画好きパパ at 18:00 | Comment(0) | 2026年に観た映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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