反恋愛主義

　「君の涙ドナウに流れ」で、女流監督とは思えない骨太の大河ドラマを演出したハンガリーのクリスティナ・ゴダ監督の新作（本国では「君の涙」の前作）は、小粋なラブコメ。女性の悩みは東西を問わないウィットに飛んだ脚本に、思わずクスリとしてしまいました。

　【ストーリー】

　女性脚本家ドラ（ユーディット・シェル）は３０過ぎても男運に恵まれない。きょうも不倫の最中、相手の奥さんに踏み込まれ、パンティ一枚でベランダに隠れる羽目に。マンションの隣人でプレイボーイの俳優、タマス（シャンドール・チャーニ）にシャツを貸してもらえたものの、さんざんからかわれた。おまけに、新作の劇の主役がタマスに決まり、がっくり。

　これまで、男からもらったのはセックスと嘘だけで、もう恋愛はうんざり。仕事も悪くはないけれども、それにすべてを懸けるほどではない。３０過ぎたので子供もそろそろほしい、とドラは、恋愛抜きでセックスして子種だけをもらおうと画策する。だが、ドラの周囲の男はタマスに、いい人だけど天然ボケの作曲家ピーター（ゾルターン・セレス）、情熱的だが口先だけのいいかげん男にしか見えないトルコ移民のアリ（オントル・チョプコー）と、だれも今ひとつ。果たして、ドラの願いはかなえられるのか。





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ファニーゲームＵ．Ｓ．Ａ

　９７年に作られたオリジナルは「世界で最も不快な映画」と、賛否真っ二つに割れた伝説のカルト映画。カンヌ映画祭で審査委員のベンダースが上映途中で退席したり、英国では上演禁止運動が起こったといわれるほど。今作はミヒャエル・ハネケ監督自身が、同一脚本、構図でセルフリメイク。見る前の覚悟とは異なり、僕はものすごく気に入りました。

　【ストーリー】

　湖沿いの別荘にバカンスに出かけたジョージ（ティム・ロス）、アン（ナオミ・ワッツ）夫婦と幼い一人息子のジョージー（デヴォン・ギアハート）の一家。途中、通りかかった隣人の家でピーター（ブラディ・コーベット）という青年を紹介される。

　別荘に到着して夕食を作り始めたアンの元にピーターがやってきて、「卵が切れたので分けてほしい」と礼儀正しく頼み込んだ。卵を分けるがピーターの手元が狂って卵を落としてしまい、はずみでアンの携帯も水に落としてしまう。そこへ、ピーターと一緒に隣人宅を訪れているというポール（マイケル・ピット）が現れ、ピーターの行為を謝罪するのだが、慇懃無礼な２人にアンは次第にいらついてくる。だが、それこそ恐るべきファニーゲーム（楽しいゲーム）の始まりだったのだ。





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空へ−救いの翼

　航空自衛隊初の女性救難ヘリパイロットを描いた本作品。主役たちの棒読み演技と、自衛隊の活躍のギャップの差は激しく、自衛隊の広報ビデオみたい。けれども、男の子だったら、航空救難団の格好良さにあこがれるだろうな。僕ももっと若かったら航空救難団に入りたかったよ。

　【ストーリー】

　幼い頃、母を救ってくれた航空救難団にあこがれ、航空自衛隊初の女性救難ヘリパイロットになった遥（高山侑子）。だが、実戦訓練でミスを犯し、菊田救難団長（三浦友和）に叱責され、救難員の瀬南２曹（渡辺大）からは不信感を露わにされる。

　数日後、嵐の海で遭難した漁船の救助に遥は初出動する。だが、燃料が足らずに、最後の一人を救えなかった。落ち込む遥に、瀬南は自分のつらい経験とともに、人命救助の重要性を語り、個人的な感傷が禁物であるとアドバイスを送る。瀬南や、先輩パイロットの小田（井坂俊哉）、仲良しの整備員碧（鈴木聖奈）らの同僚の励ましと、菊田や鷹栖班長（木村佳乃）ら上司の厳しいけど温かい指導に恵まれ、彼女は徐々に成長していく。だが、思いも寄らない厳しい現場が彼女を待っていた。





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