作品情報 2014年韓国映画 監督:イ・ジョンホ 出演:チョン・ジェヨン、イ・ソンミン、ソ・ジュニョン 上映時間122分 評価★★★★(五段階) 鑑賞場所:ヒューマントラストシネマ渋谷 鑑賞日9月6日 2014年劇場鑑賞153本目
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妻を病気でなくし、男手一つで中学生の娘スジン(イ・スビン)を育ててきたサンヒョン(チョン・ジェヨン)。そのスジンが不良高校生グループに拉致されて、暴行されたあげく殺されてしまう。ショックで立ち直れない彼のもとに、犯人の名前を告げる匿名メールが届く。
メールに従い、犯人の一人、チョリョン(キム・ジヒョク)の家に忍び込んだサンヒョンの前で、チョリョンがスジンが暴行されているDVDを笑いながら見ていた。逆上したサンヒョンはチョリョンをバットで殴り殺してしまう。さらに、もう一人の犯人、ドゥシク(イ・ジュスン)を探しにいく。事件を担当するオッグァン刑事(イ・ソンミン)とヒョンス刑事(ソ・ジュニョン)もサンヒョンの後を追うのだが…
【感想】
娘を殺された父親を描くとなれば韓国映画では感情渦巻く大げさな演技が多いのだけど、本作はイ・ジョンホ監督が抑制した筆致で描きます。それだけに、ごく普通の娘思いの父親が、子供を失ったことで、人間性が壊れていく様子が痛いほど伝わってきます。優男役の多いチョン・ジェヨンだから、余計、そう感じるのでしょう。
また、犯人グループも一見すると普通の高校生にみえるところも、リアルさがでており、怖い。親子というと、チョリョンの両親が警察に来て、自分の子供こそが被害者だと泣きつくシーンがありますが、どんなに出来が悪くても、子供はかわいいもの。もちろん加害者は罪を償わないとならないけど、加害者と被害者の命の差とはなんだろうと考えてしまいました。そして、うまい改変だったのが、ドゥシクとサンヒョンが互いに相手を知らずに会話しているシーンを作ったこと。これで、ドゥシクは不良だけど、この手の映画に出てくるような悪魔のような存在ではなく、そのへんにいそうな人間という感じが余計にしました。
反面、日本同様少年法の問題があり、しかも、少年はちょっと反省したふりをすれば、仮出所が可能になります。大人だったら厳罰になるはずが、少年法のためにわずか数年でシャバにでるとなると、サンヒョンの怒りと哀しみはいかばかりか。また、それなのに法を守るためにドゥシクを守り、サンヒョンを捕まえなければならない、刑事たちの葛藤も考えさせられます。
小説と邦画版では、娘を殺された父親を助ける女性が大きな存在になるのですが、本作ではその部分をばっさり削っています。したがってメインの登場人物にスジンを除くと女性がいないのですね。これも興行を考えたら思い切った改変ですが、物語としてはリアルかつテンポよくみられたのは大きいですね。
そして、原作と違うラストシーン。これは、韓国映画特有の描写もあり、正直、反則だとおもいましたが、胸がいっぱいになってしまいました。「シークレットサンシャイン」でもありましたが、人を憎むことと許すこと、そして、それでも許せないことは何なのか、さまざまなことを考えさせる秀逸なラストでした。
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逆に、あのラストがなかったら映画として救われてないと思いますが。
ラストシーンは、邦画、原作ともに、サスペンス重視で、
主人公の心理を描いていなかったから、こちらのほうが
良かったと思います。
韓国映画リメイクは、ガリレオがでてこない容疑者Xなど
原作を尊重しながらうまく改変している印象ですね。