作品情報 2024年イギリス、アメリカ、フランス、ドイツ映画 監督:アンドレア・アーノルド 出演:ニキヤ・アダムズ、バリー・コ―ガン、フランツ・ロゴフスキ 上映時間119分 評価:★★★★(五段階) 観賞場所:ローソンユナイテッドシネマみなとみらい 2025年劇場鑑賞258本
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【ストーリー】
イギリスの郊外の団地にすむ12歳の少女ベイリー(ニキヤ・アダムズ)。父のバグ(バリー・コ―ガン)はろくな仕事をしないで、今は毒カエルの体液をドラッグに変えようと夢中。ところが、バグが突然、今週末にケイリー(フランキー・ボックス)という女性と結婚式をあげるといいだし、何も聞かされていなかったベイリーはイライラする。
ベイリーは団地の入口でバード(フランツ・ロゴフスキ)と名乗る若い男から、道を聞かれた。バードはかつて団地に住んでいたが家族とバラバラになっており、その行方を探しているという。母のペイトン(ジャスミン・ジョブソン)ならバードの家族の行方を知っているかもと思ったベイリーは、ペイトンが新しい男のスケート(ジェームズ・ネルソン・ジョイス)と暮らしている家に行く。だが、スケートはとんだDV野郎で…
【感想】
イギリスでは下層労働者は「チャブ」といって嫌われているそうですが、まさにチャブの生活をリアルに描いたよう。ろくに働かないで本当かどうかわからないドラッグ話で一攫千金を狙う父、弟のハンター(ジェイソン・ブダ)は団地の不良たちとギャング団を作って、親の世代への復讐かDVをする親たちを襲っています。
また、貧乏なのに子だくさんというのもチャブの印象で、ペイトンとスケートの間には3人の幼い子供がおり、DVにおびえています。口では自分は処女でないといいはるペイリーは痩せてちっぽけ。予告編だと男の子かと思ってました。それでも凶暴なスケートから異父妹たちを守ろうとするペイリーの勇気に、ついほろっとしてしまいます。さらに、バードが心優しいけど荒事には弱く、気も弱くてこういう悲惨な現実に対応できないというのも、実際にこうなんだろうなと思わされます。
この団地で生まれたベイリーも弟や妹たちも、こんな泥沼の環境から一生抜け出せないだろうなと思わされるような貧困と大人たちのだらしなさ、そして暴力。それにもかかわらず、とにかく生きようと頑張るベイリーは本当に応援したくなります。また、タイトルのバードは鳥と青年の名前のダブルミーニングですが、鳥も人間のバードもベイリーにとっては大切な存在。
登場人物たちがそれぞれ生き生きと描かれているのはポジティブ。バグが大きなタトゥーをしているように、荒っぽい街のファッション、人間関係もまったく縁のない極東の僕にも伝わってくるよう。とにかく子役のニキヤ・アダムズの頑張りはポイントが高い。また、フランツ・ロゴフスキの不思議で独特な存在感も魅力でした。
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