作品情報 2023年日本映画 監督:源孝志 出演:柄本佑、渡辺謙、長尾謙杜 上映時間 120分 評価:★★★★(五段階) 観賞場所:イオンシネマ港北 2026年劇場鑑賞89本
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【ストーリー】
江戸時代、歌舞伎小屋のあった木挽町で仇討ちがあった。美濃遠山藩の若侍、伊納菊之助(長尾謙杜)が、父清左衛門(山口馬木也)を殺して逃げていた元下僕の作兵衛(北村一輝)を打ち取ったのだ。折から目の前の森田座では市川團十郎(冨家ノリマサ)主演の忠臣蔵の千秋楽が終わったばかりで、芝居帰りの客や森田座の関係者200人もの人が見守る前。江戸では早速評判になった。
1年半後、遠山藩で菊之助の義兄だったが今は浪人になったという男、加瀬総一郎(柄本佑)が森田座を訪ね、仇討ちの様子を根掘り葉掘り聞いて回る。やがて加瀬は一座のとりまとめとも言うべき、座付け作者の篠田金治(渡辺謙)に、仇討ちには大きな謎があると問いかけるのだが…
【感想】
予告編にもありますが、冒頭、赤い女ものの着物をまとった菊之助が作兵衛と戦う雪のシーンから始まります。この長尾のなんともあでやかなこと。結局、若い女性がまったくでてこなかったこともあり、なんとも色気にあふれるシーンから始まりました。
200人の目撃者もいる仇討ちの何が謎なのか、最初はささいなところにこだわっていた総一郎ですが、森田座の呼び込みの一八(瀬戸康史)、剣術指南役の相良与三郎(滝藤賢一)、女形の芳澤ほたる(高橋和也)、細工師の久蔵(正名僕蔵)と関係者を回って、最後に金治のところで関係者一同が集まって推理を披露するというのは時代劇よりも本格派のミステリーのよう。
一方で、仇討ちをしなければならない武士の窮屈さと芝居小屋という異空間の自由さの対比がうまくはまっています。そして、森田座の面々も本当にそういう人物が当時いたような存在感を、芸達者な俳優たちが見事に演じています。当時の歌舞伎の裏方の仕事が掘り下げられるのも面白く、なぞ解きだけではなく、いかにも時代劇の陰謀劇といった展開も、うれしいところ。
とはいえ、あまりにも一本調子で話が行き過ぎているところや菊之助のその後がよく描かれていないこと、仕方がないとはいえいかにも時代劇的な真相というのは、ウェルメイドですが深みがたりないかな。その分、「国宝」の渡辺謙、「侍タイムトリッパー」の山口、冨家といった面々の芝居はさすが時代劇とポジティブに思いました。時代劇ファンは満足できる仕上がりだと思います。
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