2026年03月08日

♯拡散

 コロナワクチンによる副作用死とフェイクニュースというセンシティブな話題に取り組んだ社会派映画。登場人物がすべて嫌な人物でかつ自分にも思い当たることがあり、観終わったあと鬱な気分になってしまいました。

 作品情報 2026年日本映画 監督:白金 出演:成田凌、沢尻エリカ、淵上泰史 上映時間 105分 評価:★★★★(五段階) 観賞場所:イオンシネマ港北  2026年劇場鑑賞90本



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 【ストーリー】
 コロナ禍の富山県。介護職員の浅岡信治(成田凌)の妻で動画配信者の明希(山谷花純)はコロナワクチンを打った翌日に突然死してしまう。医師の高野(淵上泰史)がワクチン前に問題は起きないといったこともあり、信治は激怒して明希の遺影を持って、高野のクリニックの前に連日立って抗議した。

 そのことを知った新聞記者の福島美波(沢尻エリカ)が記事にしたところ、ワクチンに殺された悲劇の夫とネットで話題となり信治はたちまち反ワクチン派のヒーローに。しかし、ワクチンの副作用という証拠はなく…


 【感想】
 信治、福島、高野、明希、いずれも完全な悪人というわけではないのですけど、人間の弱い部分を観客に突きつけてきて、どんどん重い気分になっていきます。貧しく冴えない信治に比べて明希は派手な美人で、動画配信のネタに信治をこき使う感じ。そのゆがんだ夫婦関係が観客にみえているだけに、福島の描くような妻が死んで涙する悲劇の夫というイメージはわきません。にもかかわらず、メディアは一部を切り取って、ネットでヒーローとして拡散される。

 また、ワクチンの副作用があるのは事実ですが、高野の木で鼻をくくったような態度が信治の怒りを掻き立てます。さらに、福島のスクープ狙い、ニュースを自分のフレームアップで切り取るようなメディア記者のいやらしさ。多くの人間のもつ弱さ、悪どさといったものを登場人物たちが体現して行く姿をとことん見せられるのは本当にしんどかった。

 また、劇中でもありますけど、富山を舞台にしていて雄大な立山連峰や日本海の風景など、自然の豊かさをたっぷり映し出すことで人間のいやらしさと対比させます。わかっているのだけ、もういいから勘弁してくださいという描写が続きました。悪ノリするユーチューバーの描写はよくみるパターンとは言え、フェイクニュースが蔓延する現代の世相をうまく切り取っています。

 成田は妻を亡くして憔悴した様子から、反ワクチンのヒーローとして祭り上げられ、どんどん調子にのっていく、弱くて自分というものを持たない信治を好演。久々に観る沢尻の美貌は相変わらずで、こういうクズのマスゴミによくあっていました。白金監督は映画の企画、製作を行うチームジョイの社長で本作が初監督。「ゴールドボーイ」「正欲」など話題作を手掛けた港岳彦のオリジナル脚本です。最後の最後まで嘘や秘密が暴かれていき、登場人物だけでなくネットを通じた大衆、そして観客までもが翻弄されていく脚本はお見事でした。
posted by 映画好きパパ at 18:00 | Comment(0) | 2026年に観た映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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