作品情報 2026年日本映画アニメ 監督:谷口悟朗 声の出演:當真あみ、嵐莉菜、早乙女太一 上映時間119分 評価:★★★(五段階) 観賞場所:ローソンユナイテッドシネマみなとみらい 2026年劇場鑑賞107本
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【ストーリー】
大正時代。継田フジコ(声・當真あみ)は幼いころ横浜でフランスのバレエ公演を観に行き猛烈に感動して絵を描く。そして、絵の勉強をしたいと叔父の若林忠(尾上松也)を頼って、パリにいく。
パリで暴漢に襲われたフジコたちを助けたのが、なぎなたの名手、園井千鶴(嵐莉菜)だった。彼女も幼いころにバレエを観て感激しており、パリにはなぎなたを普及しに来た両親に連れられてきたが、バレリーナになりたいと思っていた。フジコと同じアパルトマンに住む少年、ルスラン(早乙女太一)の母オルガ(門脇麦)がロシアにいたころにバレリーナだったため、千鶴はオルガのもとでバレエのレッスンを始めるが…
【感想】
監督に谷口悟朗、脚本が吉田玲子、キャラクターデザインに近藤勝也とアニメ界の大物がずらり。9割近くが20世紀はじめのパリなんですけれど、その風景やファッションなど美術には非常にこだわりがあるのが伝わってきます。フジコが画家志望ということもあり、ルノワール、ドガなど当時の名画がふんだんにつかわれています。
また、バレエのシーンもアニメならではの思い切り省略した技法も使いながら、2人の美少女がうっとりと夢見たような美しいシーンが流れていきます。ジブリを想起させる近藤のキャラデザや、多彩な脇役たちも含めて、外見は完璧でしょう。さらに千鶴のなぎなたシーンなどアクションも爽快でした。
ただ、冒頭にも書いた通り、今なんでこのプロットの作品を作るのかがわかりにくい。一応、パリでは貧乏生活なんですけど、大正時代に少女だけでパリに暮らせるということじたいが、今から考えればすさまじい贅沢。そもそも海外へ自由に旅行できない時代ですからね。フジコが美術学校に通っている描写もないし、絵の勉強ってなんなのだ。登場人物は善人ばかりで、悪人かと思った人もあとで善人として回収される徹底ぶり。見ていてちょっと薄かった。
天才肌の千鶴と彼女の活躍を目にしながらもなかなか前へ進めないフジコの葛藤あたりは現代に通じるところもあり、悪くはないのですけれど、物語全体にインパクトがあるかというとうーん。第一次大戦の戦時下であることはさんざん登場人物の口から言われ、そういうカットが入るところもあるのだけど、戦争の悲惨さとかにつながるわけでもないし。しかも、藤田嗣治のオマージュかもしれないけれど、フジコは戦争に協力する将来をエンドロールで明かしちゃってるわけで、反戦映画とほど遠い。お見合いが嫌だという2人の女性の感覚も、現代からみた正論という感じで、あまり共感できず。
吉田のオリジナル脚本では大勢の脇役がいきいきと描かれていますけれど、これを2時間の映画にするのはもったいなく、むしろ昔の名作劇場のように半年か1年かけてじっくり見れば、いろんな登場人物の深堀りできたのではないかと思いました。悪くはないけれど、絶賛するほどでもなかったというのが正直な感想でした。
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同じシチュエーションでも高畑勲や宮崎駿なら
違う筋立てにした事でしょうね。
いつもコメントありがとうございます。
高畑さんや宮崎さんの往年の作品とは似て非なる感じですよおね