2026年04月05日

私たちの話し方

 スタイルが違う3人のろう者の若者を描いた香港の社会派映画。「みんなおしゃべり」で初めて知ったのですが、技術の発展で手話は不要になるとの考えは根強いのですね。

 作品情報 2024年香港映画 監督:アダム・ウォン 出演:ネオ・ヤウ、ジョン・シュッイン、マルコ・ン 上映時間132分 評価:★★★★(五段階) 観賞場所:シネスイッチ銀座  2026年劇場鑑賞131本



 【ストーリー】
 途中失聴の女子大生、ソフィー(ジョン・シュッイン)は人工内耳で聴者の7割程度は聞き取れるようになり、多くのろう者に使ってもらいたいと医療機器メーカーの人工内耳のアンバサダーを勤めていた。だが、手話は全く使わない。

 講演で「人工内耳をつければ普通の人に戻れる」と発言したため、手話とろう者であることに誇りを持っているジーソン(ネオ・ヤウ)は激怒する。一方、ソフィーの同僚のアンバサダーで、ジーソンの幼馴染のアラン(マルコ・ン)は2人の気持ちを知っているだけに板挟みとなり…


 【感想】
 ろう者でもソフィーは手話がまったくわかりません。ただ人工内耳と手話は対立するものではなく、アランのように人工内耳でも手話を使える人もいます。ただし、ジーソンとアランが通った香港の聾学校では人工内耳をメインにするために授業での手話を禁止していたとか。また、ソフィーの母も娘に手話を禁じていました。ろう者といえばみんな手話を知っているのかとおもっていただけにちょっと驚きました。また、人工内耳を付けてると普通にしゃべれるというのもあまり意識していませんでした。

 3人は前向きに生きる一方、ろう者であるがゆえ偏見を受けたり生きづらさがあったりします。ただ、ろう者が人生の障害になっているということを言いたいのではありません。だって聴者だって別のことで生きづらいことはあるでしょうから。ただ、ろう者である自分をどのように受け止めるか、三者三様の答えがでてきます。

 また、3人の間にほのかな恋愛関係のようなものがうまれているのもほほえましい。それゆえに嫉妬して大人げない行動をとってしまうこともありますが、ちゃんと我にかえって反省できるのは観ていてすがすがしいなあ。うまいバランスがとれていると思います。

 成長した後の3人は聴者ですけど子供時代のジーソン役のネイザン・チェンは中等度難聴症、アラン役のジェシー・ウォンは親がろう者であるコーダだそう。物語に深みを与えています。ジーソンはやんちゃ、アランは気弱なイケメン、ソフィーはまじめで清楚な感じがそれぞれ役柄にあっており、各種映画賞で話題に。ジョン・シュッインは金馬奨(台湾)の最優秀主演女優賞を獲得しました。それも含めて良い感じです。
posted by 映画好きパパ at 18:00 | Comment(0) | 2026年に観た映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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