2026年04月06日

アメリと雨の物語

神戸生まれのベルギー人作家、アメリー・ノートンの自伝的小説をアニメ映画化。1960年代の日本に対する解像度の高さに仰天し、ノスタルジーと切なさを感じさせられました。

 作品情報 2025年フランス映画アニメ 監督:マイリス・ヴァラード、リアン=チョー・ハン 声の出演(日本語版):永尾柚乃、早見沙織、森川智之 上映時間77分 評価:★★★★(五段階) 観賞場所:TOHOシネマズ市原  2026年劇場鑑賞132本



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 【ストーリー】
 1966年、外交官である父パトリック(声・森川智之)の赴任先である神戸で生まれたアメリ(永尾柚乃)。赤ちゃんのときは大泣きして手がかかり、母のダニエル(日笠陽子)はノイローゼ気味に。家の中も荒れ放題だった。だが、3歳の時、ベルギーから訪ねてきた祖母のクロード(北林早苗)の持ってきたチョコレートで泣き止む。

 さらに大家のカシマ夫人(深見梨加)の紹介で働きだした女中のニシオさん(早見沙織)は、アメリのことをかわいがり、アメリもよく懐いた。徐々に成長するアメリは、人生には喜びも悲しみも、死別も誕生もあることを学んでいく…

 【感想】
 1960年代の日本の情景が、アメリ・ノートンの思い入れもあるのでしょうけど、パトリックの家は美しい野山に囲まれた日本家屋で、自然の風景がなんとも懐かしい。さらに灯篭流しやこいのぼり、日本の妖怪のお話など伝統的な文化も取り入れており、よくある日本を舞台にした海外の作品にあるようなおかしさは皆無。むしろ、まだ僕が生まれる時代なのにどこか懐かしさでいっぱいとなりました。

 大人になったアメリ(花澤香菜)の回想という感じですが、その懐かしさに満ちた花澤のナレーションもいい。赤ちゃんの時は自分を神だと思うような作家独特のユーモアも、この美しい色彩のちょっと幻想的なアニメにはよく似合っています。

 パステル調に描かれた日本の四季は本当に美しく、雨、晴といった天気でがらりと様子が変わることも見事に表現しています。アメリはベルギー語の名前ですが、日本の雨に通じることを教わるというのはほほえましい。そして、何より小さいころは全能感にあふれていたアメリが、成長していくうちに徐々につらいこと、悲しいことを体験して、それを踏まえて成長していくというストーリーは本当に心を打たれます。
 
 さらに、西尾さんとの交流がなんとも心温まります。まだ幼いアメリをちゃんと対等に観て、かつ大人として子供をどうやって成長させていけばいいのか思慮深さにあふれており、それでいて優しさにも満ちている。彼女の哀しい過去も含めて、幼いうちにこんなに豊かな人格の人に出会えたのはアメリにとってかけがえのない宝物でしょう。
 また、1960年代という戦争の傷跡が完全に消え去っていない時代が舞台というのも考えさせられます。両親夫婦の仲良さ、兄姉の関係などこれまた50年前の家庭を感じさせる名シーンばかり。家族が仲の良いだけでこれほど幸せになれるのかと、うらやましい限りでした。
posted by 映画好きパパ at 06:06 | Comment(0) | 2026年に観た映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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