2026年06月09日

この場所

 日本とフィリピンのハーフの女性が、父親の葬式のために来日して自分の異母妹と出会う物語。説明を少なめにして観客に考えさせるストーリーですが、東日本大震災の被災地、陸前高田市を舞台にしているだけあって、厳粛な気持ちでみられました。

 作品情報 2025年日本、フィリピン映画 監督:ハイメ・パセナ2世 出演:中野有紗、ギャビー・パディラ、片岡礼子 上映時間86分 評価:★★★★(五段階) 観賞場所:シネマ・ジャック&ベティ  2026年劇場鑑賞219本



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 【ストーリー】
 エラ(ギャビー・パディラ)は自分の父親が日本で亡くなったことを知り、葬儀に出席するため陸前高田市にやってきた。父の現在の妻の橋本あつ子(片岡礼子)は、夫からエラのことを聞いていたと歓迎するが、7歳下の異母妹で女子大生のレイナ(中野有紗)は彼女に対して複雑な気持ちを抱いているようで、あまり話もしてくれなかった。

 あつ子に勧められるまま、橋本家に泊まったエラ。レイナとは風習も言葉も違うため、最初は打ち解けずぎすぎすした雰囲気だったが、徐々に互いに歩み寄るようになり…

 【感想】
 パセナ監督はもともと音楽家で、文化交流イベントで何度も東北を訪れており、2013年からは陸前高田市にしばらく暮らしていた。映画でも監督が知り合った地元住民が脇役として登場しているそうです。一方で、フィリピンでもマニラは津波の被害はまずないため、東日本大震災の被災がいかに大変だったのか、外国人ならではの目で見ているというのも見どころです。震災の津波の映像も短いですけれどあるため、けっこうドキッとしました。

 父はフィリピンの現地妻をもてあそんでいたのか、それとも正式に結婚して離婚後に日本に戻ってきたのか説明はありません。ただ、妻子にフィリピンにエラがいると楽しそうに伝えていたので、本人にとって後ろめたさはなかったのでしょう。こういう家庭が実際にどのくらいあるのか分かりませんが、あつ子が客人をもてなすようにして、当初はもめると思った遺産相続のシーンもすんなりいったのはちょっと意外でした。

 一方、エラは物心ついたときから父親が不在、レイナは父がフィリピンの異母姉ばかり気にしているとそれぞれコンプレックス、相手を意識する気持ちがありしっくりきません。特にエラは父の生前、日本に遊びに来ないかといわれて断ったようで、そのあたりの説明もないので、こちらで補完するかたちですが、2つの国に家族を持つとはどういうことだろうと思いました。

 全体的に暗く落ち着いた感じ。その中で映画デビューとなった監督が、若手女優2人を丁寧に描いている感じです。中野は話題を呼んだヴィム・ヴェンダース監督の「PERFECT DAYS」に続いて、海外との合作映画に出演し、フィリピンでは多くの映画賞を受賞したそう。今後の活躍を期待したい女優でした。


posted by 映画好きパパ at 06:00 | Comment(0) | 2026年に観た映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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